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建築業許可ブログ

2021年03月01日

専任技術者の「実務経験」期間を短縮できる場合があります。

先日、解体工事業の建設業許可新規申請で「10年実務経験の緩和措置」を使い、「解体工事業」と「とび・土工工事業」の許可取得のお手伝いをさせていただきました。

実務経験の緩和措置???
あまり聞きなれない言葉ですが、なかなかお得な制度です。

建設業許可取得の要件の一つに「技術者」があります。
建設業許可の営業所に必ず一人は必要となります。(しかも専任で)

この技術者の要件は、2種類あります。
➀建設業許可の業種に該当する資格を持っている
②建設業許可の業種の実務経験がある

➀は、有名なところでは、「施工管理技士」や「建築士」などです。
②は、原則10年以上の実務経験が必要となりますが、国が決めた学校(学科)を卒業していれば、短縮できます。

例えば…「とび・土工工事業」の場合は、「土木学科」と「建築学科」が該当します。
そしたら、何年短くなんねん?
大学や専門学校であれば「3年以上」に、高校・専門学校は「5年以上」に短縮されます。
これはお得!

ただ、件数が少ないです。
圧倒的に「10年以上」の実務経験の方が多いです。
実は、この「実務経験」には落とし穴があるんです。
なんと、10年で1業種しか認められていないんです。
ですので、例えば「とび・土工工事業」と「舗装工事業」の2つを取得したい場合は、お一人では20年以上必要となります。

そこで、技術的に共通する業種は少しだけ期間を短縮させましょうという制度です。
例えば、「土木工事」の実務経験が10年以上、「とび・土工工事」の経験が8年超、計18年で2業種認めましょうということです。
2年しかお得になっておりませんが、「たかが2年、されど2年」です。これにより2年早く2業種目が取れます。

なんでこんなことになるの?
実は、「とび・土工工事」の経験が8年しかない場合、「土木工事」の4年の経験をあわせて、計12年で「とび・土工工事」の実務経験10年分と認めてくれます。
実はこれを利用しています。(これを実務経験の緩和措置といいます。)

土木工事の経験が10年、「とび・土工工事」が8年ある場合(合計18年)、「土木工事」の10年のうち4年分を「とび・土工工事」の8年と合算して12年とし、「とび・土工工事業」をGET。
そして、もともと「土木工事」は10年の実務経験があるので、もちろん「土木工事業」もGETとなります。
むずかしいですね…私も最初???となりました。

ちなみに、この「実務経験の緩和措置」どの業種でも使えるわけではありません。
きちんと決まっています。認められるのは、つぎのパターンだけです。

一式工事から専門工事への振替え
土木一式工事 ⇒ とび・土工工事,しゅんせつ工事,水道施設工事,解体工事
建築一式工事 ⇒ 大工工事,屋根工事,内装仕上工事,ガラス工事,防水工事,熱絶縁工事,解体工事

専門工事間での振替え
とび・土工工事 ⇒ 解体工事
大工工事 内装仕上工事

ちなみに、矢印の方向に向かってのみ振替えが可能です。
ただ、「大工工事」と「内装仕上工事」は、両矢印ですので、お互い振替えが可能です。
なので、「大工工事」と「内装仕上工事」の場合は、合計16年で2業種GETできます。(4年短縮されます。)

私自身、「実務経験の緩和措置」を利用した申請は2回目で、1回目は「建築工事」と「内装仕上工事」の組み合わせでした。
今回の申請時、受付窓口の職員さんも調べながらの審査でしたので、これを利用する人は少ないかもしれません。

みなさまも、あまり利用する機会はないかのしれまんが、頭の片隅に置いておいてください。

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